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stuka

むかしむかし、第二次世界大戦中のドイツ空軍にシュトゥーカという爆撃機がありましたとさ。シュトゥーカは、重たい爆弾を積んで、日夜、ソビエト赤軍の戦車やときには戦艦まで爆破しました。急降下爆撃(dive bombing)するときにはサイレンのような音がして、敵を恐れさせたといいます。その最も戦功の多かったパイロットがハンス・ウルリッヒ・ルーデル。この本は彼の自伝の英語版です(誰が翻訳したかは書いてない)。

ルーデルは日本にも、ドイツ以外の国にも熱心なファンがいて、この本を読むとミルク以外の飲み物は飲まなかったとか、動物と戯れるシーンとか、人間的にも「良い奴」という感じがします。戦争はしたくないし、シュトゥーカ乗りにもなりたくないけれど(赤軍の陣地に降りちゃったら大変!)、素速い米国や英国の戦闘爆撃機のターゲットになったシュトゥーカは必ずしも万能ではないですが、敵を倒す決意が固く、脚を一本なくしても、よせっていうのにまた戦場に戻る、この人はただ爆撃おたくで(ちなみに民家はそれが軍事的に良くても決して爆撃しなかったと書いてあります)ナチスとかネオナチとかとは別のところにいる人だと感じました。こういうスピード感のある話を書いてみたい!!

cry to heaven

カストラート歌手の話です。私もカストラートの本を書きました、これを読む前に。
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のアン・ライスの力作。紙にして600ページを少し切るくらいの量です。
私にはグイドがレイフ・ファインズで映像妄想が浮かぶのですが、主人公トニオのベネチアから始まって、ナポリ、ローマとイタリアの街と祝祭を堪能できます。
トニオと追い出されていた兄カルロの確執、トニオとグイド、トニオと女性や枢機卿の愛のもろもろは、まるで一昔前のJUNEのように濃厚です。
私はこの本のレビューを★4つにしました。で、上のルーデルは5つ。戦闘機乗りの世界のほうが好きだから、という理由です。

私はカストラート歌手に興味を持っていて、カウンターテナーや男性ソプラノをよく聞いてきました。アン・ライスは、彼らよりも女性歌手に耳を傾けなさいというけれど、私は男性歌手のほうが往時のカストラートを彷彿とさせると思います。やはり女性と男性の声はまるで違うのです。

有名なカストラート歌手が出てきたり、当時のコンサートの様子が細かく描かれていたり、アン・ライスの調べ物は音楽史家クラスです。
ビジュアルも声も浮かんできます。これは映画にとても合う小説ではないでしょうか。

結末のねたばれは避けたいですが、まあせいせいすると言っておきましょう。
バロックの時代に、グイド、トニオ、そして女性画家のチームは、楽しく生きたろうなと思わせる終わりです。

カストラート歌手に興味があるか、JUNE的なものが好きか、アン・ライスのファンなら長い600ページの旅をおすすめします。

john locke

Kindleで100万ドル(?)の電子書籍を売ったJohn Lockeのハウツー本です。
これを日本に紹介した小早川さんの宣伝に反して、ジョンは非常に綿密に準備をし、計画し、それに沿って作業して結果を得ました。
すべてのフレームワーク本に共通ですが、John Lockeのシステムをあなたが全部受け入れることができるかわかりません。
要所要所で自分に合うように変更が必要かもしれないと思いました。

計画的で綿密なマーケティングはもちろん大事ですが、この本を読んで思ったのは「初めにコンテンツありき」。
つまらない本はつまらないです。いくら売ろうと思っても売れません。

自分のtarget audienceを見つけて、その人達に向けて直接書くとジョンは言っています。
とても参考になりました。
ブログも、ホームページも、ツイッターも目的はひとつ「自分の本を売ること」です。
でも押し売りではなく、そこにいる人々と真摯に交流し、それらの友達を購入者に変えていったと言います。
できることを少しでも真似しようとしています。

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