私の好きな本

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knulp

ヘルマン・ヘッセが38最のとき書いた中編。子供や女性に好かれ、りっぱな男友だちもたくさんいるクヌルプだが、子供の時の失恋で道を踏み外し、以後さすらい者になった。流浪者なのにきれいな手をしたクヌルプを、人は猫を家にまかりとおらせるようにとおらせたが、死に際して、クヌルプは自分の失敗した二つの恋愛について神様と対話する。神様はクヌルプの人生が意味のないものではないと言ってくれた。。

ヘッセの作品で一つ選べと言われたら、『知と愛』でも『デミアン』でも『ガラス玉遊戯』でもなくこの作品を推す。
特に真ん中の『クヌルプの思い出』は、アイヒェンドルフの『のらくら者物語』よろしくのんびりした風景が広がっているから。
同じ頃に書かれた『昔の太陽軒で』(流浪の果て)も、30代で老人の孤独を描いたヘッセの筆力が凄い。ヘッセの『メールヒェン』もおすすめ。


organist

技術者で『グランドコンサイス英和辞典』の編集者でもある著者が、日本ファンタジーノベル大賞を受賞した作品。
オルガニスト、ヨーゼフ・エルンストは交通事故で重傷を負いオルガンが弾けなくなるが、テクノロジーの力で復活、元の友だちは彼の存在を追う。
音楽とテクノロジーが結婚した小説はツボにはまりました。


mimei

昔教科書で読んだ『野ばら』では、大きな国の老人と小さな国の青年は国境警備しながら将棋を指す間柄でしたが、戦争が勃発、二人は敵同士になりました。『月夜と眼鏡』では、針に糸が通らなくなったおばあさんは月夜の晩に眼鏡売りから眼鏡を買います。
『月とあざらし』では子をなくして悲しんでいる母あざらしに、月が太鼓を与えます。太鼓はあざらしの気に入りました。。

これくらい一つ一つの話が短い、幻燈のようなメルヘンを書くのが目標です。
でも100円取るなら、数編ないとお客の立場としては高いなあと思います。数編バンドル。


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